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  • グラフの読解をともなう計算 ──光合成に関する計算問題──


    〔2016/08/17 記〕

    レベル表示:☆☆★★


     植物分野の計算問題の2回目となる今回は、光合成に関する代表的な計算問題について考えてみましょう。

     最初に基本的な知識の確認を行うために、次のグラフを見ておきましょう。

    光合成と呼吸






















     このあとで扱う計算問題を解くためには、このグラフに出てくる言葉をすべて説明できなければなりません。まずは、そこから確認していきましょう。


    陽生植物……日当たりがよい場所でないと育たない植物。

    陰生植物……日当たりが悪い場所でも育つ植物。ただし、陰生植物も光合成を行う

      ので、真っ暗な場所(=光のまったく当たらない場所)では育たない。

    補償点……光合成量=呼吸量 となる光の強さ。見かけ上は二酸化炭素の出入り

      がなくなるので、植物は呼吸も光合成もしていないように見える。

      ※ 補償点よりも強い光が当たらないと、植物は成長できない。

      ※ 陰生植物の方が陽生植物より補償点は低いので、光が弱くても成長できる。

    呼吸量……植物が呼吸によって排出する二酸化炭素の量。

      ※ 光の強さとは関係なく、常に一定の二酸化炭素を排出する。

    ・光飽和点……これ以上光が強くなっても光合成量が増えなくなる光の強さ

    真の光合成量 見かけの光合成量 の関係

       植物は、ほんのわずかでも光が当たれば光合成を行う。このときの光合成量が

      真の光合成量である。一方、植物は常に呼吸を行っているので、補償点より強い

      光が当たるときに、初めて 光合成量>呼吸量 となる。このとき、その差にあたる

      のが見かけの光合成量である。次の式は、その関係を表したものである。

        真の光合成量 見かけの光合成量 呼吸量


     これらの基礎知識がしっかりと理解できていることを前提にして、今回の例題を考えてみましょう。 小学5年生なら6分以内(難関校を目指す方なら4分以内)に全問正解することを目指してください。


    例題 次のグラフは、2種類の植物A,Bの葉から出入りする二酸化炭素の量

     を表したものです。これについて、あとの問いに答えなさい。ただし、実験中

     は光の強さ以外の条件はすべて同じで、光の強さによらず呼吸量は一定で

     あるものとします。

    光合成と呼吸














     (1) 植物Aの葉を30000ルクスの強さの光のもとに1時間おくと、この植物の

      葉は500cm2あたり何cm3の二酸化炭素を吸収することになりますか。

     (2) 植物Aの葉を8時間暗黒にして放置したのち、9000ルクスの強さの光の

      もとにおくと、葉のでんぷん量が暗黒にする前の状態にもどるのは、光を

      当ててから何時間後ですか。

     (3) 植物A,Bの同じ広さの葉のでんぷんの増加量がほぼ同じになるのは

      何ルクスの強さの光を当てたときですか。

     (4) 同じ広さの葉で比べたとき、植物Aが作るでんぷんの量が植物Bの2倍

      になるのは何ルクスの強さの光を当てたときですか。

     (5) 植物Bの葉のでんぷんの量に増減が見られない光の強さは何ルクス

      ですか。


    〔光合成に関する計算問題〕の問題・解答PDF


     それではいつものように、各設問の要点を簡単に挙げておきましょう。

    (1) グラフの上に、「葉100cm2あたり1時間について」と書いてあるのを見落としてはいけ

     ません。そこに気づきさえすれば、葉の面積が5倍だから二酸化炭素の吸収量も5倍

     になるということがすぐにわかるでしょう。

    (2) 葉を暗黒にして放置すれば呼吸だけを行うので、でんぷんが分解されます。その後、

     9000ルクスの強さの光を当てれば光合成によってでんぷんが再び作り出されるので、

     いずれでんぷん量は元の状態にもどります。ただし、植物は光が当たっていても呼吸

     を行うので、計算の際には“見かけの光合成量”を用いることがポイントです

      なお、この設問には葉の面積が指定されていませんが、呼吸で放出した二酸化炭素

     を再び吸収するのにかかる時間は、葉の面積とは無関係であることを確認しておくこと

     が大切です。

      また、この問題のような途中で交わるグラフを読み取る場合は、「Aのグラフを読んで

     いたのに、いつの間にかBのグラフを読んでいたというようなケアレスミスを犯すこと

     がよくあります。こうしたミスを防ぐためには、ふだんから“指差し確認”をするといった

     ミスを防ぐ習慣をつけておくことが大切です。

    (3) この設問は計算問題ではありません。また、設問に書いてある「でんぷんの増加量」

     とは、「見かけの光合成量」のことです。つまり、同じ面積の植物AとBの葉のでんぷん

     の増加量が同じというのは、2つのグラフが交わったときのことです。

    (4) この設問に書いてある「Aが“作るでんぷんの量”」とは、「Aの真の光合成量」のこと

     です。また、Aの真の光合成量がBの2倍になるのは、Bが光飽和点に達した後である

     ことに見当をつけられれば、すばやく計算できるでしょう。

      なお、Bの呼吸量はグラフからすぐに読み取れません。しかし、Bは光の強さが2000

     ルクス(2目もり)増すごとに二酸化炭素の吸収量が3cm3(1目もり)ずつ増えていること

     に気づけば、Bの呼吸量が1.5cm3であることがすぐにわかります。そうすれば、Bの真

     の光合成量は、1.5cm3+9cm3=1.5cm3と求められるのです。

    (5) この設問も計算問題でありません。最初に説明したように、「葉のでんぷん量に増減

     が見られない」のは光合成量=呼吸量 となるときであると気づくことが大切です。



     

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