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  • 比例計算の基礎(3) ──星の動きに関する計算問題──


    〔2016/06/29 記〕

    レベル表示:☆☆☆★


     星の動きには日周運動と年周運動があり、次のように簡単にまとめられます。


    (1) 星の日周運動……地球の自転によって生じる1日の見かけの動き

     ・地球が、北極の真上から見て反時計回り(西から東)に、1日(24時間)に360度自転

      することによって生じる見かけの動き

     ・1時間あたり15度ずつ動くように見える(……360度÷24時間=15度/時


    (2) 星の年周運動……地球の公転によって生じる1年の見かけの動き

     ・地球が、北極の真上から見て反時計回りに、1年(12か月)に360度公転することに

      よって生じる見かけの動き

     ・1か月あたり30度ずつ動くように見える(……360度÷12か月=30度/月


    ※ 日周運動と年周運度の向き

     ・北天の星……北極星を中心にして、反時計回りに動く。

     ・南天の星……太陽と同じように、時計回りに動く。(→ 東→南→西 と動く。)


     「星の動き」が比例計算である理由は、経過する時間や月日が2倍,3倍,……になると、星の動く角度も2倍,3倍,……になるからです。 それでは、早速このことを例題を使って確認してみましょう。


    北の空グルグル

    例題 右の図は、北極星(N)を中心に動いて見える

      北天の星Aの位置を示したものです。@〜Kは

      30度ずつ等間かくに並んでいます。7月1日の

      午後9時に星Aが@に見えたとして、次の問い

      に答えなさい。

     (1) この夜の午前1時には、星Aは@〜Kのどこに

      見えますか。

     (2) 10月1日の午後9時には、星Aは@〜Kのどこに見えますか。

     (3) 5月16日の午前0時には、星Aは@〜Kのどこに見えましたか。


     (1)は日周運動だけを考えればいいですね。この夜の午前1時は午後9時の4時間です。 北天の星は北極星を中心に1時間あたり15度ずつ反時計回りに動いて見える

    ので、4時間には、 15度/時×4時間60度,反時計回りに動くことがわかります。

    したがって、この夜の午前1時に星Aが見える位置は B となります。


     (2)は、時刻は午後9時のまま変わらないので、年周運動だけを考えればいいですね。 10月1日は7月1日の3か月です。北天の星は北極星を中心に1か月あたり30度ずつ反時計回りに動いて見えるので、3か月には、 30度/月×3か月90度,反時計回りに動くことがわかります。 したがって、星Aが見える位置は C となります。


     (3)は、“7月1日の午後9時”に対して日付も時刻も違います。このタイプの問題では、先に年周運動を考えてから日周運動を考えて解くというのがおすすめの解法です。

     まず、年周運動について考えます。5月16日と7月1日の差は何か月ですか? 2か月ではありません。正解は「1.5か月」です。月のずれは整数になるとは限らないということを覚えておきましょう。 しかし、この計算にはもう1つ大切なポイントがあります。それは、5月16日が7月1日よりも“前”だということです。 日付をさかのぼるわけですから、星の動く向きが逆回りの“時計回り”になることにも注意が必要です。 こうして考えると、「1.5か月」“前”の星の動きは、 30度/月×1.5か月45度,“時計回り”となります。

     次に日周運動について考えます。午前0時は午後9時の3時間ですから、星の動きは、 15度/時×3時間45度,反時計回りとなります。

     最後に2つの結果を足し合わせれば答えが出ます。つまり、時計回りに45度回った後、反時計回りに45度回るのですから、星Aが見える位置は @ のままとなるのです。

    北天の周極星

     (3)の解法は文章で書くと難解そうに見えますが、1つ1つの計算手順をていねいに確認しながら解説を読み進めてください。

    実際の入試問題のようなハイレベルな問題を解く能力を身に着けるためには、そういう根気強さが必要不可欠なのです。



     ところで、(3)を解くときに気づかれたかもしれませんが、星の動きの計算には“厄介な落とし穴”があります。 星の動きの計算を苦手とされている方の多くは、この“落とし穴”への意識が不十分なためにうまく正解にたどりつけないのです。 考えてもみてください。 経過する時間や月日が2倍,3倍,……になると、星の動く角度も2倍,3倍,……になるという単純な関係を用いるだけの計算が、なぜそんなにも解けないのでしょうか。

    それは、計算とはちがうことで引っかかっているからです。1つ例え話をしましょう。


     「19,43,37」と順番にダイヤルを回すと開く金庫があります。ある人が回すとすんなり開くのに、別の人がやると開きません! いったいなぜでしょうか?


     答えは「ダイヤルを回す向きが逆だったから」です。「右に19,左に43,右に37」と回すべきところを、「左に19,右に43,左に37」と回したから開かなかったというわけです。


     回す向きが重要というのは、星の動きの計算でも言えるのです。 星の動きの計算問題が苦手なお子様のほとんどは、角度計算ばかりに意識がいってしまい、回る向きに注意が向いていないだけなのです。

     

     では、星の動く向きに十分に注意を払いながら、今回の例題に挑戦してみましょう。

    上で説明した3問の例題がしっかりと理解できているなら、小学5年生なら8分以内(遅くとも10分以内)に全問正解することを目指してください。



    〔星の動きに関する計算問題〕の問題・解答PDF

     いかがでしたか? 解けない問題があった方も、解説を読んでしっかりと理解できたでしょうか? 星の動きに関する計算問題は、『星座早見の使い方』に関する問題でも必要になることが最近は増えています。決して難解な問題ではありませんから、5年生の夏休みが終わるまでにしっかりと基礎を固めておかれることを強くおすすめいたします。


     今回はかなり長くなっていますが、もう1つだけ書き加えておきたいことがあります。

     上の枠囲みの部分でご紹介した『星の年周運動』は、

    同じ時刻に見える星の位置は、北極星を中心に1か月に30度、反時計回りに動く

                                             (北天の星の場合)

    ということです。

     しかし、年周運動には、もう1つ、別の表し方があります。それは、


    星が同じ位置に見える時刻は、 1か月に2時間ずつ早くなる


     というものです。PDFファイルの例題の(3)は、そのことを確認する問題だったというわけです。実は、同様の問題が上で説明した例題の(3)にもあることに気づかれましたか?

     (3)では、5月16日の午前0時(真夜中)に@の位置に星Aが見えることがわかりました。そして、問題文には、7月1日の午後9時に@の位置に星Aが見えると書いてあります。

    同じ@の位置に星Aが見える時刻は、1か月半の間に3時間早くなっています。つまり、1か月あたりでは2時間早くなったというわけです。



     

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