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  • 金属と水溶液の計算問題(応用編)


     金属と水溶液の計算問題の最終回である今回は、“表を含んだ問題”に挑戦していただきましょう。表で数値を与える問題は、グラフの問題よりもレシピを見つけにくいという性質があります。 前回の金属と水溶液の計算問題(基本編)で説明したように、グラフを含んだ問題では、グラフの変曲点(折れ曲がる点)さえ読み取れば簡単にレシピが引き出せます。 今回の例題3は、「いかにしてグラフの問題に落としこむか」を考えることが大きなヒントとなります。


    例題3 あるこさの塩酸60mLに、いろいろな重さの鉄を加えたときに発生する

        水素の体積を調べたところ、次の表のような結果になりました。これに

        ついて、あとの問いに答えなさい。

       
    鉄(g) 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2
    水素(mL) 80 160 240 320 360 360
        

     (1) この塩酸60mLとちょうど反応する鉄の重さは何gですか。

     (2) 120mLの水素を発生させるためには、鉄が少なくとも何g必要ですか。

     (3) 鉄1.2gとちょうど反応する塩酸は何mLですか。

     (4) (3)のとき、発生する水素の体積は何mLですか。

     (5) 鉄1.5gに塩酸120mLを加えたときに発生する水素の体積は何mLですか。

     (6) 鉄3.6gに塩酸140mLを加えたときに発生する水素の体積は何mLですか。



    (※ 解答・解説は、問題とともにPDFファイルに掲載しています。)



     化学の計算問題を解く上で最も重要なポイントは、いかにしてレシピを見つけるかというただ一点です。 完成度の高い問題ほど、織りこまれた量的関係が容易に見つからないように、さまざまな手法で出題者が工夫を施しているものです。ときには、わざと誤った方向へ誘導するためのトラップ(罠)を仕掛けることもあります。 そういうトラップに惑わされることなく確実に正解に辿り着ける能力の持ち主を選び出すことが入試を行う目的ですから、ある意味では当然のことでしょう。逆に言えば、出題者がどれほど巧妙に策略をめぐらせても確実にレシピを引き出す方法論さえ身に着けていれば、必ず正解にたどりつけるわけです。


     さて今回の例題3は、最も初歩的なカムフラージュを施した問題です。計算問題が苦手なお子様がこの表を見ると、「ちょうど反応する量の関係は必ず表の中に書いてある」と思いこむ場合がほとんどです。 その結果、今回の例題3なら、“60mLの塩酸と1.0gの鉄がちょうど反応して360mLの水素が発生する”というレシピを考えてしまうのです。

     言うまでもなく、(1)は例題3の最重要問題です。それは、(1)が例題3のレシピを求める問題だからです。もしレシピがちがっていれば、残りの設問すべてで正解が出せるはずがありません。だから、絶対にまちがってはいけない設問なのです。


     それでは、問題の表をもう一度よく確認してみましょう。ここで、面倒でも必ず実行してほしい大切なプロセスがあります。理科の計算を苦手とされるお子様は、特に意識して行ってほしいことです。 それは表の左側から順に“状況をイメージする”ことです。

     60mLの塩酸の入った三角フラスコに0.2gの鉄を入れると、80mLの水素が発生します。さらに0.2g(合計では0.4g)の鉄を入れると、さらに80mL(合計では160mL)の水素が発生します。 このように、最初のうちは塩酸が十分にあるので、加えた鉄はすべて反応するし、加えた鉄の重さが0.2g増えるごとに発生する水素の体積は80mL増えていくこともはっきりとイメージできるはずです。 それどころか、このまま加える鉄の量が少しずつ増えてくると、「やがて鉄がとけ残り、水素の発生も止まる」ということが“予測”できるはずです。 そして、予想通りに加えた鉄の重さが0.8g〜1.0gの間では、発生する水素の量が40mLしか増えていないことに気付くでしょう。 つまり、加えた鉄の重さが0.8g〜1.0gのときに、過不足なく反応していることがわかるのです。


     それでは最後に、この反応のレシピを求めてみましょう。前回の例題2で扱ったグラフの形をもう一度思い出してください。金属と水溶液の反応において、横軸に加える鉄の重さ,縦軸に発生する水素の体積をとってグラフをかくと、初めのうちは一定の割合で右上がりに増加していくが、やがて加えた鉄が反応しなくなるとグラフは水平になるのでしたね。このときの鉄の重さを求めればいいのです。 詳細は、今回の問題のPDFの解説に示した通りです。表の2か所(○で囲んだ部分)の数値に着目することによって、グラフの変曲点の数値が求められるので、次のようなレシピが引き出せます。


       鉄  +  塩酸  →  水素 + (塩化鉄)……言葉の化学反応式

      0.9g     60mL     360mL        ……過不足なく反応する量


     こうしてレシピさえ引き出せば、あとは比例関係を利用して計算をするだけです。基本編で解説したときと同様に、“鉄と仲良くなるために、塩素さんが水素くんを放り出すこと”をイメージしながら答えを求めていけばいいというわけです。



  • 〔金属と水溶液の計算問題(応用編)〕の問題・解答PDF


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