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  • 金属と水溶液の計算問題(基本編)


     今回は最も基礎的な金属と水溶液の計算問題の解法を解説いたします。前回の内容(金属と水溶液の計算問題(基礎知識編)の例題1)、それと『溶解度の計算問題』で扱った比例計算の考え方をご理解されていることを前提にして解説をしていきます。

    それでは、今回の問題です。


    グラフ

    例題2 アルミニウム0.2gをいろいろ

       な重さの塩酸にとかしたときに

       発生する気体の体積を調べた

       ところ、グラフのような結果に

       なりました。これについて、次

       の問いに答えなさい。


     (1) アルミニウム0.2gをすべてとかすには、塩酸が少なくとも何g必要ですか。

     (2) アルミニウム1.0gをすべてとかすには、塩酸が少なくとも何g必要ですか。

     (3) 750mLの気体を発生させるためには、塩酸が少なくとも何g必要ですか。

     (4) 塩酸120gには、最大で何gのアルミニウムをとかすことができますか。



    (※ 解答・解説は、問題とともにPDFファイルの3ページ以降に掲載しています。)


     まずは、グラフの形に注目してください。0(原点)から始まり、右上がりに一定の割合で増加していきますが、途中のある点からはグラフが水平になります。 金属と水溶液が反応して気体が発生するときは、縦軸に気体の発生量をとると必ずこの形のグラフになるのです。 例え問題にグラフがなくても、グラフの代わりに表があっても、表もグラフも与えられていなくても、そんなことにはまったく関係ありません。 金属と水溶液の反応に関する計算問題を見たら、必ず真っ先にこの形のグラフを思い浮かべるのです。

     それではここで、少し前回の確認をしてみましょう。別に完璧な答えを求めているわけではありません。それよりも、この設問が何を尋ねているのかという本質(肝になる重要ポイント)に気付くことができるかどうかの方がよほど大切なことなのです。


    (確認問題) 金属と水溶液の反応において、グラフがこのような形になるのは

         なぜですか。


    (※ 解答・解説は、問題とともにPDFファイルの1ページに掲載しています。)


     さて、お分かりいただけましたか。グラフの折れ曲がった点が、アルミニウムと塩酸が過不足なく反応するときを表しています。つまり、例題2の(1)の答えは、ここから求められるわけです。

     そして、もう1つ重要なことがあります。それは、グラフの折れ曲がり点を読み取れば、“反応のレシピ”が簡単に書けるということです。 “反応のレシピ”というのは、計算問題を解くための基本となる量的関係(過不足なく反応する量)を、言葉の化学反応式とともにまとめたもので、次のように書き出すものです。


      アルミニウム + 塩酸 → 水素 + (塩化アルミニウム)……言葉の化学反応式

         0.2g       40g    300mL             ……過不足なく反応する量


     反応のレシピさえ書けば、化学の計算問題は楽勝です。例えば、アルミニウムの重さが2倍の0.4gになったとしましょう。そうなれば、それをすべてとかすために必要な塩酸も2倍の80g必要ですし、そのときに発生する水素の体積も2倍の600mLになります。 この考え方を使えば、例題2の(2)以降の問題も簡単に答えが導き出せるのです。


     私は常々、「ホットケーキさえ焼ければ、化学計算は誰でも解ける」と生徒たちに教えています。お子様が化学の計算問題で本当に困っているのは、計算の難しさなどではありません。 どうやって計算式を立てればよいのかがわからないのです。その根本的な原因は、前回のテーマでも何度も繰り返した通り、「化学反応のイメージが持てないこと」にあります。それを証明するために、こんな例題を用意しました。


    例題3 ホットケーキミックスの箱には、「ホットケーキの粉120gと牛乳80mLを

       よく混ぜてフライパンで焼くと、美味しいホットケーキが2枚焼けます。」

       と書いてあります。この“レシピ”を使って、次の問いに答えなさい。

     (1) ホットケーキの粉が240gあるとき、牛乳は何mL必要ですか。

     (2) ホットケーキを6枚焼くには、ホットケーキの粉が何g必要ですか。

     (3) 牛乳を400mL使うと、最大で何枚のホットケーキを焼くことができますか。



    (※ 解答・解説は、問題とともにPDFファイルの2ページに掲載しています。)


    パンケーキ

     答えはすぐに出せますね。計算を簡単にするために、すべて整数どうしのかけ算だけで答えが出せる数字に設定してあります。 おそらく、この問題なら小学4年生でも解けるはずです。

     さて、この例題にはもっと重要な目的があります。この例題3の設問と、例題2の(2)〜(4)の問題を、しっかりと照らし合わせて見てください。この2つの問題が、算数的には“同一”の問題だということがおわかりいただけるでしょうか。

     もし、お子様が例題3をスッと解けるのなら、例題2もすべて解けるはずです。しかし、実際にはそうならないことが多々あります。つまり、それこそがお子様が化学の計算問題が解けない理由(原因)なのです。


     ホットケーキの問題では、設問に問われている状況が細かくイメージできるはずです。それどころか、長く焼きすぎると焦げるとか、ホットケーキの甘い香りでよだれが出そうだとか、答えを出すのにはどうでもいいようなことまで容易に想像できるでしょう。 しかし、例題2の場合はどうでしょうか。 “塩素さん”が次々と“水素くん”の手をふりほどいて “アルミニウム君”の方へ走り出し、“水素くん”がぼう然と立ち尽くしている姿を想像しながら問題を考えるお子様はおそらくいませんね(笑)。


    悲劇のカップル

    . 


     もし例題2の中で解けない問題があったときは、すぐに解答・解説を見せるのではなく、アルミニウムをホットケーキの粉に,塩酸を牛乳に,水素を焼き上がったホットケーキに読み替えた上で、もう一度問題を解かせてみてください。そうすれば、今度はきっと正解が求められると思います。


     最後に一言。化学の計算問題がスラスラ解けるようになりたいのなら、まず化学反応に関するあらゆる知識をしっかり身に着けてください。単に言葉を覚えるだけではなく、ホットケーキの問題を読んだときに甘い香りまで無意識に想像してしまったように、より具体的で細かなイメージが持てるくらい深く身に着けることを心がけてください。その知識こそが、例え難問であっても最後は正解にたどりつくための“底力”となるでしょう。



  • 〔金属と水溶液の計算問題(基本編)〕の問題・解答PDF


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