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  • スラスラ解ける浮力計算の解法


    浮力の計算問題を苦手としている受験生はかなりいるのではないでしょうか? しかし、浮力の計算問題は実はそんなに難しい問題ではありません。もちろん、一部の難関校の入試問題には難問もありますが、たいていの中学入試の浮力の問題は、わずか3つのことを理解していれば、容易に正答が導き出せるものばかりなのです。

    そこで今回は、浮力の計算問題のとっておきの解法を伝授します。


    その前に、浮力と重力(重さ)について確認しておきましょう。

    浮力とは『水中や空気中などにある物体にはたらく“上向きの力”』のことです。船が水面に浮いたり風船が空中に浮いたりするときには、必ず浮力がはたらきます。

    一方、重力(重さ)とは『地球上にある物体にはたらく“下向きの力”』のことです。地球上にある物体は、すべて地球の中心に向かって真下に引っ張られています。このとき、物体にはたらく力が重力(重さ)です。物体にはたらく重力は、物体が水中や空気中にあっても減ったりなくなったりするわけではありません。


    それでは、浮力の問題の考え方の極意をお教えしましょう。


    (1) 浮力の問題は“上下方向の力のつりあい”に注目して解く。

    浮力01

    パターン1は、液体中に沈んでいる物体を糸で支えているときのようすを示しています。物体は液体中に沈んでいるので、物体には浮力がはたらいていますが、浮力よりも重力(重さ)の方が大きいので、糸で支えないと液体中に沈んでしまいます。この図でばねばかりが示す重さは、糸で支える張力の大きさです。このとき、物体にはたらく3つの力の間には、『重力=浮力+張力』 という関係が成り立ちます。

    一方、パターン2の左の図は、物体がその一部を液面上に浮いているときのようすを示しています。このとき、物体はこれ以上浮きも沈みもせずに液面上で静止しているので、この物体には重力と浮力の2つの力しかはたらいておらず、『重力=浮力』 という関係が必ず成り立ちます。また、パターン2の右の図のように、液体中で浮きも沈みもせずにじっとしている物体であっても、同じ関係が成り立ちます。

    このように、浮力の問題のほとんどは図に示した2つのパターンのどちらかで考えることができます。したがって、浮力の問題を解くときには、最初にどちらのパターンかを考えればいいのです。

    なお、もっとレベルの高い浮力の問題では4つの力のつりあいを考えさせる問題もありますが、上下方向の力のつりあいに着目するという基本的な考え方には何もちがいはありません。


    (2) 『アルキメデスの原理』の公式

    浮力02

    アルキメデスの原理とは、物体にはたらく浮力は、その物体がおしのけた液体の重さと等しいというものです。上の公式は、それを表した式です。この式に出てくる「液体1cm3あたりの重さ」は、その液体の密度といいます。密度は“重さ÷体積”で求められるので、g/cm3という単位で表されます。例えば、1cm3あたりの重さが1.2gの食塩水に浮いている木片が50cm3の食塩水をおしのけている場合、この木片には1.2g/cm3×50cm3=60gの浮力がはたらくことになります。


    (3) 台ばかりの示す重さは「浮力分だけ増える」

    台ばかりの示す重さを問う設問は、基本的な浮力の計算問題でもよく出題されます。そんなときに使うのが、この3番目の知識です。では、なぜ浮力分だけ増えるのかを、次のような簡単な例え話で考えてみましょう。

    今、この説明を読んでいるあなたを300gの液体とします。あなたは重さ100gのビーカーに入れられ、体重計である台ばかりにのせられます。このとき、台ばかりが示す重さは400gですね。そこへ、あなたの頭の上から糸につるされたおもりがのせられます。おもりは液体であるあなたにめりこんでくるので、あなたは「おすなよ!」とおもりを上へおし返そうとするでしょう。そうです! そのあなたが“おもりをおし返す力”こそ浮力なのです。もしあなたが押しかえす力が50gなら、台ばかりの示す大きさは50gだけ増えるはずですね。つまり、“台ばかりの示す重さは浮力分だけ増える”ことになるのです。


    それでは、この3つの知識を使って、実際の問題を解いてみましょう。


    例題  水1cm3あたりの重さを1gとして、次の問いに答えなさい。

    浮力の図1と2

    (1) 図1のように、重さ200gの物体Aと水

     を入れたビーカーがあります。

     @ 図2のように、物体Aを水中に入れる

      ると、ばねばかりは150gを示しました。

      このとき、物体Aにはたらく浮力は何g

      ですか。

     A 物体Aの体積は何cm3ですか。


    浮力の図3と4

    (2) 図3のように、重さ120gの物体Bと

     水を入れたビーカーがあります。この

     ビーカーを台ばかりにのせたところ、

     500gを示しました。

     @ 図4のように、物体Bを水中に入れ

      ると糸がたるみ、ばねばかりは0gを

      示しました。このとき、物体Bにはた

      らく浮力は何gですか。

     A 物体Bの水中に沈んでいる部分の

      体積は何cm3ですか。

     B 物体Bの

    が水中に沈んでいるとすると、物体Bの1cm3あたりの重さ

      は何gですか。

     C 図2で、台ばかりは何gを示しますか。

     D 図2で、物体Bを指で押して水面上に出ている部分をすべて水中に沈め

      たとき、台ばかりが示す重さは物体Bを沈める前と比べて何g増えますか。


     


  • 〔浮力の計算問題〕の問題・解答PDF

  • さて、3つの知識をうまく使って問題は解けましたか?

    この問題の解法でもう1つのポイントとなることは、『公式を“変形せずに”そのままの形で使う』ということです。解法図に力の矢印をかきこんだら、アルキメデスの原理の公式をそのまま、図の中にかき入れるのです。場合によっては虫食い算で答えを出すことになりますが、公式を常にそのままの形で使うことは、思考の過程を単純化することにつながります。これは、他のさまざまな計算問題の解法にも応用できることなので、ぜひ覚えておきましょう。


     

     

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