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  • ばねとてこのつりあい


    ばねを使ったてこのつりあいに関する問題は、中学入試によく出題される問題です。特に、棒に重さがある場合には、とても難しく感じるものです。しかし、棒の重さのある・なしにかかわらず、この類の問題には解き方の順番とも言える“手順”があります。そこで今回は、ばねとてこの融合問題の解法に取り組んでみましょう。なお、今回の問題と解説は、『てこのつりあいの解法』で説明した“解法の手順”を理解していることを前提にしています。 それではさっそく問題です。


    次の表のような性質を持つ重さのない3本のばねA〜Cと、重さを考えなくてよい長さ80cmの棒があります。これについて、あとの問いに答えなさい。


    ばねの表と2枚の図

    ◎ 図1のように、長さ80cmの棒をばねAとばねBを用いてつり下げ、重さ80gのおもりをつるすと棒は水平になってつりあいました。


     (1) 棒が水平になってつりあったとき、ばねBの長さは何cmになりますか。

     (2) 80gのおもりをつるした位置は、棒の左はしから何cmのところですか。


    ◎ 図2のように、長さ80cmの棒の両はしをばねBとばねCでつり下げ、重さ100gのおもりをつるすと棒は水平になってつりあいました。


     (3) 棒が水平になってつりあったとき、ばねBの長さは何cmになりますか。

     (4) 100gのおもりをつるした位置は、棒の左はしから何cmのところですか。


    ☆(発展問題)棒に重さがある場合の問題……難関校を狙う受験生向け


    長さ80cmの棒が重さ40gの均質で一様な棒であるとして、上の(1)〜(4)の問いにそれぞれ答えなさい。

     


  • 〔設問の解答と解説〕

  • 今回のばねの問題は「並列つなぎ」に関する問題です。このようなばねの並列つなぎの問題では、たいてい“棒が水平になってつりあう”という条件が示されますが、これは、“ばねの全長が必ず等しくなる”ということを表しているのです。これが、ばねの並列つなぎの問題を解く上での重要ポイントになるわけです。


    そこで用意した(1)と(2)は、自然長が等しくて性質の異なる2種類のばねで棒を支える基本的なパターンの問題です。この種の問題は、たいてい2本のばねで棒の両端を支えるのですが、今回はあえて3本のばねで支えてみました。しかし、ばねの本数が2本でも3本でも考え方に変わりはありません。

    ここでのポイントは、2種類のばねの“のび”がすべて同じになるということです。自然長の等しいばねAとBの全長が同じになるためには、必ずのびが同じになるというわけです。つまり、ばねにかかる力を求めるには“ばねを同じだけのばすために必要な力の比”を計算すればよいのです。


    ところが、次の(3)と(4)はそういうわけにはいきません。多くの生徒は途中で解くのをあきらめてしまいます。なぜなら、ばねBとCは自然長がちがうので、解法の手がかりが見つからないからです。「自然長が同じなら解けるけど、自然長がちがうからわからない……」と思ってしまうのでしょう。

    そうです! それこそがこの問題を解くためのポイントなのです。「自然長が同じなら」(1)や(2)と同じようにして解けるのなら、“正しい方法”で自然長を同じにしてしまうだけのことです。それが、今回の解説で紹介した『わいろの解法』です。


    いきなりぶっそうな単語が飛び出しましたね(笑) 皆さんは“わいろ”ってわかりますか?時代劇では“そでの下”と言われるものです。悪いことをしてもうけようとする商人が、悪行を見のがしてもらうために悪い役人に差し出すお金のことです。たとえば……


     商人「お代官様、まずはこちらを。」

      (商人がそでの下から大判(金貨)の包みをそっと差し出す)

     商人「例の件は、なにとぞお目こぼしを。」

     悪代官「おうおう、わかっておるわい。にしても、うぬもワルよのう。」

    わいろとは、こんなやりとりをしながらこっそりと渡すものです。


    (3)と(4)のような問題では、自然長の異なるばねの長さをそろえて考えるために、短い方におもりの重さの一部を“優先的に”使います。この重さを“わいろ”に見立て、『わいろの解法』といういささかショッキングな名前をつけたわけです。


    なお、解説では“わいろ”をもらわなかった方のばねにかかる力を先に求め、他方のばねにかかる力は全体からの引き算で求めています。これも、隠れた受験のテクニックです。計算の過程では割り切れない数でしか表せない重さになることはあっても、最終的には割り切れる数になるものです。そのことを見こして簡単な数字で力を求めるために、こういう解き方をするのです。より簡単な計算で答えを求めるための最適な方法として、ぜひ覚えておきましょう。


    この問題の最後には難関校を狙う受験生のために、棒に重さがあるパターンも用意しました。難しそうに見えますが、基本的な考え方を理解していればきっと解けるはずです。腕に自信のある受験生はぜひ挑戦してみてください。



     

     

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