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  • フェーン現象の計算問題  〜猛暑の北海道! 理由はフェーン現象〜


    天気図

    2014年6月3日の北海道は、17地点で猛暑日となりました。そのうちの12地点では観測史上1位が更新され、90年ぶりに道内最高気温の37.8℃と並びました。朝鮮半島上空にあった暖気が日本海を通って北海道へと流れこみ、フェーン現象が起こったことが原因と言われています。

    そこで今回は、中学入試でもよく出題されるフェーン現象の計算問題について説明しましょう。 それでは問題です。



    フェーン現象−1

    右の図のように、ある山のふもとのA地点(気温26℃,湿度75%)に湿った空気がぶつかって上昇するとき、標高XmのB地点で雲が生じました。その後、山頂Cをこえると雲は消えて、山の反対側にあるD地点に吹き下ろします。これについて、あとの問いに答えなさい。ただし、答えが割り切れない場合には小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

    なお、上昇する空気の温度は、雲ができる前は100mにつき1℃下がり、雲ができてからは100mにつき0.5℃下がります。また、必要なときには、気温と飽和水蒸気量の関係をまとめた次の表を使いなさい。

    飽和水蒸気量の表

     (1) B地点の湿度は何%ですか。また、B地点の気温は何℃ですか。

     (2) B地点の標高は何mですか。

     (3) 山頂Cの気温は何℃ですか。

     (4) D地点の気温は何℃ですか。また、D地点の湿度は何%ですか。


     


  • 〔設問の解答と解説〕

  • この問題は、確かに計算問題です。しかし、1つ1つの計算は極めて単純なものばかりなのに、このような簡単と言える問題を苦手としている生徒は少なくありません。それはなぜでしょうか?

    中学入試の計算問題というのは、極言すれば“知識の集大成”とも言えます。今回紹介したフェーン現象の計算問題もその一例です。個々の計算は簡単でも、どのような“流れ”で解くかを判断するには、その問題で扱われている知識をしっかりと理解しておく必要があるのです。(これは何も理科の計算問題に限った話ではなく、算数でも同様だと思います。)


    今回のフェーン現象の計算問題を理解するには、大きく3つの知識が必要です。

    1つ目が、“フェーン現象とは何か”ということです。多量の水蒸気を含んだ空気が山に当たって上昇すると、温度が下がって雲が生じます。雲から雨(寒いときには雪)が降ることによって空気中の水蒸気 が減るので、山をこえて吹き下ろす空気は温度が上がって乾燥するというのがフェーン現象です。

    2つ目は、雲は空気中の水蒸気が凝結(液化)して小さな水滴になったものなので、雲の中では常に湿度が100%であるという知識です。

    そして3つ目が、湿度(%)=

    その空気の露点の飽和水蒸気量
    そのときの気温での飽和水蒸気量

    ×100 という公式です。



    棚田のアジサイ

    理科は単なる暗記科目ではありませんが、“暗記している知識の量”が得点を大きく左右する科目であることも事実です。レベルの高い問題ほど、解答するには豊富な知識が必要になるのです。そして、多くの知識を身に着けるためには、個々の知識を有機的につなぐ“理解”が必要となるのです。

    その知識の礎となるものが“基礎知識”です。基礎知識は必ずしも簡単とは限りませんが、その多くは平易な知識です。つまり、努力して暗記をしっかりと行えば、知識問題も計算問題も解けるようになり、必ず理科の得点力が高まるのです。


    そしてもう1つ大切なものが“好奇心”あるいは“探求心”です。今回の解説の最後には、問題の解答には直接関係しない知識を紹介しました。あの解説をしっかり読むかどうかは、「もっと知りたい」と思うのか、「問題の答えはわかったからもういいや」と思うのかという小さな差に過ぎません。限られた時間を少しでも効率よく勉強するためにムダな時間を使いたくないと思うのでしょう。しかし、そのわずかな時間をムダと切り捨てずに行動を積み重ねることこそが、豊富な知識を身に着ける源泉となるのです。

    「小さな手間を惜しまない姿勢」を持つことが、あとで必ず自らの助けになるのです。


     

     

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