• ホーム
  • 理科の勉強方法
  • 理科の豆知識
  • 計算問題 〜解法の奥義皆伝〜
  • お問い合わせ
  • 家庭教師について
  • 地震に関する計算問題


    3回目の今回は地震波に関する計算問題を扱ってみます。

    ところで、理科の計算問題ではさまざまな量的関係を扱いますが、そのほとんどは簡単な“比例関係”です。つまり、それぞれのテーマにおいて、何と何が比例関係にあるかを理解していれば、計算問題は必ず解けるのです。

    さて、今回の地震に関する計算問題は、震源からの距離は初期微動継続時間に比例するという関係を使うものです。この関係は、“大森公式”として世界中で知られているものです。なお、“初期微動継続時間”とは「ある場所で初期微動(小きざみなゆれ)が観測され始めてから主要動(大きなゆれ)が観測されるまでの間の時間(=初期微動が続く時間)」のことです。


    地震波のグラフ

    さて、右のグラフは、この関係をまとめたものです。このグラフでは、震源からの距離が3倍ちがう2つの地点で観測した、同じ地震の地震波を模式的に示しています。なお、実際の入試問題は、横軸が「時刻」として出題されることもあります。このグラフで注目してほしい点は大きく3つあります。


    1つ目は、震源からの距離が初期微動継続時間に比例しているという点です。震源からの距離が3倍になると、初期微動継続時間も3倍になっていることがわかりますね。大森公式は、グラフ上でこのように表されるのです。

    2つ目は、地震波が一定の速さで震源から伝わることです。このグラフでは、P波とS波の伝わる速さは一定の(かたむ)きをもった直線で表されています。P波のグラフの傾きの方が急なのは、P波の方が速く伝わることを表しています。

    3つ目は、地震波の波形です。震源からの距離が近いほど大きくゆれるので、地震波のふれはばが大きくなっていることがわかります。


    それでは問題です。


    震源から72km離れたA地点では、9時21分45秒にガタガタという“小きざみなゆれ”が観測され、続いて9時21分51秒にユサユサという“大きなゆれ”が観測されました。また、別のB地点では、9時21分57秒に“小きざみなゆれ”が観測され、続いて9時22分11秒に“大きなゆれ”が観測されました。これについて、次の問いに答えなさい。

    (1) 震源からB地点までの距離は何kmですか。

    (2) この地震によるP波とS波の伝わる速さは、それぞれ毎秒何kmですか。

    (3) この地震が発生した時刻は9時何分何秒ですか。


    この問題では、震源から72km離れたA地点の初期微動継続時間は、51秒−45秒=6秒間です。これが、この問題を解き進める上でのスタート点になります。さあ、正解にたどりつけるでしょうか。


  • 〔設問の解答と解説〕

  • 今回、この題材を選んだ理由は、グラフを用いた解法を学ぶ意義(意味)についてお伝えしたいことがあったかったからです。


    お子様が問題を解くときに、途中式を飛ばして答えだけをポンとかくことはよくあります。そんなとき、「その答えが出る理由を説明してごらん」と問いかけることはありませんか?もちろん問いかけること自体は悪いことではありませんが、お子様がその問いに“言葉で”返答できないとき、「それではわかったことにはならない」と言ってしまうことはないでしょうか。


    「お子様が“言葉で”説明できない」ことと「問題を理解していない」ことは決して同義ではありません。どう説明すればよいのかわからなくても、お子様が問題の本質を直感的に正しく理解していることは往々にしてあることです。うまく説明できないのは、それを表現する適切な“言葉”が見つからないだけなのです。


    グラフによる解法は、こんなときに極めて有効です。うまく言葉で説明できないときに、「実はきみはきっとこんなことを頭の中で直感的に考えていたんだと思うよ」という言葉を添えて示してやるのです。グラフというものは、多くのお子様が苦手とするものですから、その嫌いなグラフを自分から使おうとする生徒は普通はいません。私の経験でも、グラフによる解法を示しても、たいていの場合は気のない反応が返ってくるだけです。しかし、常にそれを示し続けることで、いつの間にか生徒たちがグラフを毛嫌いしなくなってくるのです。


    グラフによる解法の理解は、お子様の意識を変えることが必要な点で大変なのですが、一度この解法を身に着ければ、多くのお子様は他の単元の解法も積極的に身に着けようとするのです。今すぐには理解できないものでも、必要なものであるなら根気よく見せ続けることが大切なのです。



     

     

    inserted by FC2 system